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2012年 6月 20日(水曜日) |
【アニメレビュー】アニメレビュー“たまごまご”のココがアニメを楽しむツボ! 第7回は、(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!でお馴染み『這いよれ!ニャル子さん』を大特集♪ 本日はその2です。 みなさんにニャル子をもっと楽しんで欲しい!という溢れんばかりの愛のこもったコラムをお楽しみください。
■ものすごい壮大なことを、ものすごくコンパクトに!
まずおさえておきたいのは、ラヴクラフトのクトゥルー神話をモチーフにはしているものの、この中に出てくるのはイコールの存在ではない、ということ。ニャル子=ニャルラトホテプではないんです。
あくまでも出てくるのは宇宙人。その宇宙人をラヴクラフトが見た結果生まれたのがクトゥルー神話、という設定。なのでニャル子は「ニャルラトホテプ星人」という集団の、一個体です。他にもニャルラトホテプ星人はいるのです。
それを踏まえた上で。「ニャル子さん」は、実は宇宙規模のとんでもない話です。
八尋だって異星人の犯罪組織にさらわれてオークションにかけられたわけですし、ニャル子も宇宙規模で飛び回っています。また、ニャル子やクー子の戦闘能力は襲い来る異星人をあっさり退け消滅させるだけの力です。
ところが物語は極めてちっちゃいです。とんでもなく腰が抜けるほどしょんぼりなオチが待っていることが多々あります。
宇宙犯罪組織が真尋を狙った理由はとてもしょんぼり。真尋の母がさらわれた理由もこれまたしょんぼり。真尋いわく「驚くほどくだらなかった」。
しょんぼりにしょんぼりの積み重ね。SAN値が全然下がりません。だって、起きているのは宇宙レベルじゃなくて、ご近所レベルなんだもの。ましてやお母さんがバイトで邪神ハンターをやっていたりと、下手するとご家族、一つ屋根の下レベル。
アニメで描かれているのは、「ニャル子さんかわいい!>周囲のキャラの思惑>(越えられない壁)>実際に起きている事件」というバランスです。
ニャル子というかわいい女の子(らしきもの)がいることや、クー子やハス太に囲まれた一風変わった生活面白いよね、が優先事項で、宇宙規模で起きている事件はそれを更に深めるためのイベントなんですよ。
だから事件現場でもニャル子とハス太は真尋に這い寄るし、クー子はニャル子にあの手この手で迫ります。しかも生殖活動を露骨にアピールしながら。いやいや君たちそれどころじゃないでしょう、なんて理屈も通用しません。
一番の事件はじゃあなんなのかというと、真尋とニャル子の関係。
ニャル子さんかわいいですが、そもそも彼女の姿はSAN値がメキメキ下がって正気ではいられなくなるもののはず。子作り子作りいうけど、作っちゃったらやばいんじゃないの。拒絶!拒絶を要求します!
ましてや部屋に住み着いて、傍若無人を繰り返す。そりゃ真尋が「迷惑だ!」というのも当然というもの。
……なんですが、彼女と暮らす時間が長くなるに連れてちょっとずつ情がわいてくるんですよ。この真尋の「デレ」こそが、宇宙規模以上の大事件なのです! 真尋とニャル子のデートの方が大事件なんです!
そんなアホな、と思われるかもしれませんが、高校生男子にしてみたら自分の感情の変化は、世界情勢よりも重大なもんです。そう考えるとあながち、間違ってないんです。
もう一つ、この作品とてつもなくびっちりパロディネタが詰め込まれています。原作もパロディの宝庫ですが、アニメではアニメならではのパロディてんこ盛り。
そもそもの設定が、宇宙人達は地球のオタク文化が大好きということなので、会話の中で自然と(たまに強引に)パロネタが挿入されます。これがかなーり古いものから、本当につい最近のものまでバリエーション豊富! 全部分かる人は相当なもんです。
パロディに対して、特に作品内では解答が用意されていません。アニメや特撮、マンガゲームなどが好きな人にとってはネタ探し自体が面白いことこの上なし。
と同時にふと気づくはずです。
ああ、この世界って、「ぼくらの中」の世界なんだ、と。
パロディで彩られた世界は、オタク文化を見てきたファンの視線そのもの。そりゃ宇宙を舞台にしても、身近でコンパクトに見えるわけです。
パロ元がわからん!という人はニコニコ動画で見るのがオススメ。見ている人の中に必ず一人はネタが分かる人がいてコメントしているので、弾幕がちょっとした元ネタガイドになりますよ。
■知っておきたい、簡単クトゥルー神話。
物語の大枠をなんとなーく把握すれば、あとは難しいことを考えなくてもニャル子たちのドタバタやラブコメディを楽しめる、極めて気持ちのいいアニメです。だって、かわいい女の子が変なポーズとって動きまわるってだけで、楽しいじゃないですか。かわいいじゃないですか。
じゃあ薄っぺらいのかと言われると、そんなことはありません。ディープに楽しむ方法、あります。
一つは上にも書いた、パロディの元ネタ探し。本当に全部を発見するにはあまりにもディープすぎるネタが多いので、じっくり探してみてください。
もう一つは、この作品のモチーフである「クトゥルー神話」を調べて見ること。
さらっと流されているキャラ同士の関連性や細かいネタにクトゥルー神話がびっちり詰まっているので、分かるとニャル子ワールドは一気に混沌あふれる愉快な世界に変わります。
ちょっと簡単にクトゥルー神話をかじってみましょう。
まずニャルラトホテプですが、クトゥルー神話の中では「土」の精で、狂気と混沌をもたらすために這い寄る異形のものです。邪神レベルの力を持ちながら、宇宙の支配者アザトースに使役される立場である、というのはニャル子が惑星保護機構に属しているのとよく似ています。
そんなニャルラトホテプの天敵とされているのが、生ける「炎」の神クトゥグアです。クー子ですね。ニャルラトホテプはほぼ無敵状態の存在なんですが、唯一恐れるのがこのクトゥグア。なのでニャル子がセリフの中でクトゥグア星人とニャルラトホテプ星人は相容れない、と話しているわけです。
そしてハス太ことハスター。これはクトゥルー神話では「風」の神で、邪悪の皇太子です。だからオス。作中ではハス太はカルコサ・コンピュータ・エンタテイメント(CCE)というゲーム会社の御曹司。カルコサとは、ハスターがいるハリ湖のほとりの失われし地です。
真尋の母を連れ去ったルーヒー・ジストーンは、クトゥルーの眷属。属性は「水」。タコのようなクトゥルー神話の絵を見たことのある方は、恐らくこれです。クトゥルーとハスターは非常に険悪な間柄ですが、これが株式会社クトゥルーとCCEの仲の悪さで表現されています。
度々登場する「ルルイエランド」は、言うなれば宇宙にたくさんあるディズ○ーランドみたいなものなんですが、これも神話の中ではクトゥルーが封印されていた、海底の石像都市ルルイエが元ネタ。アニメでもちょっとだけ出てきますが、狂った形の巨石都市です。
またルーヒーがたこ焼き屋をやっているシーンで、実はそれタコじゃないんじゃね?というカットもありますが、実際クトゥルー神話内でもクトゥルーの落とし子クトゥルヒは焼いて食えるらしいです。あれは、ありなんです。はい。
これで「土」「炎」「風」「水」と四大属性制覇です。やったね!
それぞれの土と炎、風と水の敵対関係や、出てくる場所の名前はそのまま「ニャル子さん」の作品に反映できます。言うなれば、クトゥルー神話を思いっきりわかりやすくしたパロディ。
アニメはそこまで知らなくても楽しめるのですが、知っていると何十倍も楽しくなります。実際に映像化する際に、最も難しいのはその「名状しがたいもの」の描写ですが、見事に名状しがたいものに仕上がっています。名状しがたく、なんか愛らしいものに。このさじ加減は是非見ていただきたい。
クトゥルー神話から入ってニャル子さんを見るという真尋的ルートもアリ!
ニャル子さんを見てからクトゥルー神話に触れてみるのもアリ!
たくさんのパロネタを一個ずつ調べてみるのもありだし、なんにも考えずニャル子さんをprprするのもあり。
自分なりの楽しみ方の段階をチョイスして楽しめる作品です。
いあ いあ ニャル子さん!
 ≪文:たまごまご≫
WEBサイト「たまごまごごはん」の管理人でもあり、ライターとしても活躍中
●たまごまごごはん/
●たまごまご・オブ・ザ・デッド(Twitter)/
TVアニメ『這いよれ!ニャル子さん』
●テレビ東京/毎週月曜日 深夜2:00~
●テレビ愛知/毎週木曜日 深夜3:00~
●テレビ大阪/毎週金曜日 深夜3:10~
●AT-X/毎週火曜日 10:30~/22:30~、毎週金曜日16:30~/28:30~
≪キャスト≫
●ニャル子/阿澄佳奈
●八坂真尋/喜多村英梨
●クー子/松来未祐
●ハス太/釘宮理恵
●シャンタッ君/新井里美
●ルーヒー・ジストーン/國府田マリ子
●八坂頼子/久川綾
●余市健彦/羽多野渉
●暮井珠緒/大坪由佳
●ニャル夫/草尾毅
●ノーデンス/島田敏
≪スタッフ≫
●原作/逢空万太(GA文庫/ソフトバンク クリエイティブ刊)
●キャラクター原案/狐印
●監督/長澤剛
●シリーズ構成/木村暢
●キャラクターデザイン・総作画監督/滝山真哲
●美術監督/わたなべけいと
●色彩設定/谷口ゆり子
●撮影監督/堀野大輔
●編集/松村正宏
●音響監督/本山哲
●音響効果/和田俊也
●音響制作/スタジオマウス
●音楽/MONACA
●音楽制作/DIVEⅡentertainment
●アニメーション制作/XEBEC
【関連リンク】
●名状しがたいアニメ『這いよれ!ニャル子さん』オフィシャルサイトのようなもの」/
© 逢空万太・ソフトバンク クリエイティブ/名状しがたい製作委員会のようなもの
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